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2018.12.17

農業実践教室の土づくり

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収穫祭の後、急に本格的な冬が畑にやってきました。

昨日の朝、畑に行くと、うっかりミスで地温計(センサーを地面に刺して最低地温・最高地温・現在地温を計る温度計)のセンサーが地面に転がっている状態になっていたのですが、それを見ると、最低温度はマイナス6.2度!朝9時現在で0.8度でした。

どーりで寒いわけでした。

 

教室もひと段落したこの寒い時期に、たいてい来年度のことを考えています。

来年は・・・・。

このエリア↓の土質改善が大きなテーマです。

これは、ある一人の人から借りた1枚の畑です(正確にはその半分)。

同じように施肥して同じように耕うんして、同じように麦の種を播いたのですが、手前中央から左にかけては麦がフサフサに育っているのに、手前右は色が薄くて背丈が短く、奥側も左3分の1くらいはある程度生育しているけれど右半分は色も背丈もちょっと・・・と、非常にムラがあります。

借りる前に「何をやってもうまく育たないけどね」と言われていたエリアです。

この麦を播く前に、土壌分析は実施済です。以前からムラがあることは分かっていたので、4か所に分けて分析していました。分析結果とこの緑肥の感じを突き合わせてみると、さもありなん。。。です。

来年からココもしっかりと使っていきたいので、テコ入れをしようと思います。テコ入れに夏を利用したいので、ちゃんと作物ができるようになるのは、秋作くらいからかな。

やり甲斐のある「土づくり」をすることになりそうです。

 

ここで、農業実践教室で行う「土づくり」を振り返ってみました。

整理してみると、だいたい下記6つのことをやっています。

①土壌分析

②施肥設計

③太陽熱養生処理

④堆肥作り

⑤緑肥栽培

⑥微生物の活用

①の土壌分析は、土を採取して、試薬と反応させて、畑にどんな養分がどのくらい残っているのか、ということを科学的に明らかにすることを言います。

で、それを受けて、不足分を補うように各肥料の投入量を決定します(これが施肥設計)。

土壌分析と施肥設計では、ミネラルをかなり重視しています。

人間が健康に生きていくためにはミネラルが必要だ、ということは皆さんご存知かと思いますが、植物が健康に生きていくためにもミネラルは必要だし、微生物もミネラルを必要としています。生き物にはミネラルが必要なんですね。

作物が育つのに畑のミネラルが使われるので(収穫後は、ミネラルが収奪された状態になります)、収奪された分をどこかで補わないと、畑のミネラルは次第に枯渇していきます。作物が良く育つほどミネラルの吸収量は多いので、作物がスクスク育つ畑ほど要注意です。もちろん、教室の畑では、土壌分析は必須です。

②の施肥設計は、土壌分析とセットです。これは、ちゃんと勉強しないとできませんが、理解すると、基本的設計はそんなに難しくありません。もちろん、驚くようなハイレベルな世界を目指す場合は、しっかりした化学・植物生理の知識と柔軟な発想と異次元に一歩踏み出す勇気と好奇心が必要になってきます。

※この試験管写真↑は、土壌分析の写真です。教室の畑ではなく、生徒さんの畑の土を調べていた時の色です。来年1月19日(土)は、希望される生徒さん(春夏野菜コース参加決定の方)・卒業生の畑の土の土壌分析を行います(→土壌分析の会)。自分の畑がある方はぜひ。この結果に基づき、各畑に合わせたミネラル投入量をご提案します。

 

①、②については、教室では、各肥料成分の役割、教室の畑の土の特徴、野菜の生育と各種肥料成分の関係等を知ってもらっています。自分の畑の土をどうしたら良いか、ということをしっかりと知りたい方は、土壌分析の会へ・・という流れです。

③の太陽熱養生処理は、家庭菜園でもできる技術です。

やるのとやらないのとでは、結果に大きな違いが出ます。教室の畑はもちろんなのですが、教室でやったようにご自身の菜園で養生処理を実施した生徒さんたちは、口を揃えて「前より良いものができた!」とおっしゃっています。

養生処理がうまくいったかどうかは、長い棒を刺してみればすぐに分かります。成功していると、棒がすーっと刺さります。すーっと刺さっていく深さや感触が、やる前と違ってきます。初めて「できたー!」と実感した時には、とても感動します。

太陽熱養生処理は、種まき、苗定植の前に一手間加わるので、作業が増えるように感じるかもしれませんが、この一手間が、その後をラクにしてくれます。

何より、除草しなくてよくなるし(夏季に実施した場合)、虫害・病気が減って、作物の育ちも良くなります。

春先にコレをやっていると「もう何か植えるの?」と毎回近所の人に聞かれます。他の農家さんが何もしていない時に働いているので、「働き者」と評価されるオマケも付きます。

④堆肥づくり

農業実践教室では、講義で堆肥も作っています。ただ、自家製だけでは足りないので、購入もしています。

堆肥には、良い堆肥、悪い堆肥、無難な堆肥、があります。良い堆肥を使うと結果がとても良くなります。が、悪い堆肥を畑に入れてしまうと、野菜作りがかえってシンドくなります。無難な堆肥は、作物の出来栄えが天候にとても左右されるように感じています。堆肥は、肥料に比べて入れる量が圧倒的に多いので、野菜作りに与える影響は大きいのです。

BLOF理論を勉強していると「良い堆肥」というものがどういうものなのか、分かってきます。

良い堆肥を買えればそれに越したことはありません。でも、自分で作れたら、もっと良いですよね!「万が一あの堆肥屋さんがなくなってしまったら(企業寿命30年説がありますし!)、もうあの感じの野菜は作れなくなってしまう!」という心配もなくなるし・・。そして、堆肥作りは大変だけれど、面白い♪

2018年秋冬野菜コースでの野菜づくりで使った堆肥の9割9分は、農業実践教室の講義で作った堆肥でした。自家製堆肥で育てた野菜たちは、よく育ちました!

管理部分での反省はありますが。

 

こちらは、来年の春夏野菜コースでの野菜作りに使う(予定の)自家製堆肥です。

乾いているように見えますが、太陽光がガンガン当たる外側だけこの瞬間乾いていて、すぐ内側からは適度に湿っています。

この堆肥は、仕込みの途中で一度失敗しましたが、教室の皆さんと一緒にテコ入れをして(手作業ゆえ、結構大変でした)、今では問題ない経過過程となっております。修正を加えた分、作業工程と原材料のバランス、そして仕込み時期が今までと少し変わってしまいました。なので、この先の変化の仕方は今までとは少し違ってくるのでしょう。

それにしても、失敗が確定した時はショックでした。

しかし!

復活できた今だから言えますが(笑)、今回の失敗と復活は、教室のコンテンツの更なる充実に繋がりますし、教室の生徒さんも、なかなか面白い過程を体験していただけたのではないかと思います。

この堆肥は、この後2パターンに分けて仕込みを継続して、堆肥の分析結果を比較しようと考えています。

⑤緑肥栽培

緑肥というのは、収穫を目的に育てるのではなく、畑の改善のために育てる植物です。まだ青々としているうちに畑に漉き込みます。緑肥にはいろいろな種類があり、目的やシーズンで使い分けます。来年は、あの問題エリアでソルゴーを育てます。

⑥微生物の活用

土づくりにおける微生物の活用は、それ単独で何かをするというよりも、、堆肥作りで使うし、太陽熱養生処理でも使うし、緑肥の始末でも使うし・・・といった感じです。

農業実践教室では、微生物の多様性は全く求めていなくて、特定の決まった微生物を培養し、ガッツリ仕事をしてもらっています。

 

こーやって土づくりについて分割して書いていくと、色々とやることが多くて大変そうに見えるかもしれませんが、全部を平行してやるのではなく、スポットの作業が多いので、あまり負担感はありません。むしろ、これら一連の作業による恩恵を多く実感しています。

 

というわけで。

土づくりは奥が深く、ワタシはまだまだ道半ばですが、それゆえ面白いです。

来年も土に対してコッテリと向き合って、頑張ります!

ご興味を持たれた方は、ぜひ農業実践教室へ!

 

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