2021.11.24
緑肥
農業実践教室で使わせてもらっている畑は、元耕作放棄地であった所が殆どです。お借りして最初にやることは、一面にザーッと緑肥の種を均等に播くことです。緑肥の育ちを見ることで、畑の状態を俯瞰で見てみます。
そして、やってみると、育ちにムラが見えることがあります。
ムラというのは、こんな感じ↓
この畑は、前に使っていた人が、堆肥らしきものを積んでいたところだけものすごく緑肥が成長しています。写真で言うと、左端が堆肥が積んであった場所です。向かって右に行くほど緑肥の育ちが悪くなっています。また、写真では見えないのですが、奥に進んだ中央エリアは、葉が黄ばんで背丈が大きくならず、緑肥がかなりまばらでした。隣接して私達が数年間作付けし続けている畑があるのですが、そことの境界は、それなりに育っています。部分部分での生育差が大きい、難易度が高い土地です。
ちなみに、写真はソルゴーの様子なのですが、ソルゴーの前に一度「麦」で土の状態の確認をしていました。ムラが出たので、ムラの箇所をピックアップして、土壌分析を数か所行いました。分析結果だけで言うと、そこまで大きな違いは出ていませんでした。
そこで、ソルゴーを栽培しました。分析結果に基づき施肥をすることで、ある程度の化学性を改善すること、あとは、地力の回復と物理性の改善が目的です。でも、ソルゴーの生育を見ると、まだまだダメな感じです。ソルゴーを漉き込んだ後はもう少し改善できていそうですが、もう少し時間がかかりそうです。
経験上、緑肥の生育にムラがあるエリアで緑肥を何度栽培し続けても、それだけでは目をみはるほど改善はされないなと感じています。ですから、農業実践教室では、生育にムラがあるエリアでも”一旦とりあえず野菜を作付けする”ということをしております。
ムラがあろうと、収穫できるものだけ収穫して、その後はまた、作付け前に土壌分析をして施肥して、太陽熱養生処理をして、また作物を栽培します。
そうやって、2~3作の作物を栽培した後に改めて緑肥を栽培してみると
ムラが激減していることが多いです。この写真エリア↑もそんな感じ。
ココも、何度ソルゴーや麦を栽培しても同じ場所にムラが出続けたエリアですが、2作ほど野菜を栽培した後にソルゴーを栽培してみると、ビックリするくらいムラがなくなっていました。これは、作物栽培の時に行った施肥の内容と基本に忠実な太陽熱養生処理が効いたと私達は考えております。
ここまでソルゴーがムラなく育ってくれたら、あとは大丈夫ー。
普通に使えます。
しかし!
今年は、この緑肥栽培が危機に見舞われました。
春からちょっとおかしいなとは思っていたのですが・・・・。
キレイに発芽しているのに、数日経つと芽が全部消えているという・・・。
チョコっとなくなるのではなく、消えてなくなるのは「全部」です。
カラスにやられたのかと思ってテグスを張って種を播き直しても、全く効果ナシ。
なので、様子を見てみると・・・
分かりますか?電線にテンテンテンテンと‥‥。
小型の鳥が並んでいます。
まさか・・とは思ったのですが、ソルゴーが発芽して数日後に畑の横を通ろうと畑に近づいた瞬間、たくさんの鳥が我が畑から飛び立ったのを見ました。
100%コイツらが犯人(犯鳥?)ですね。
なので。
人生で初めて「カカシ」を立てました。
ちょっと前屈みにした角度が、コダワリのポイントです。
これがなかなかリアルで、近所のおばあ様方には「アンタがいるかと思ったよ」と評判でした。風が吹くと袖がなびいて人が作業しているように見えます。作った本人でさえ何度も「あ、誰かいる!」と思いました。
しかし、これだけでは不安だったので、昔、地主さんにいただいたレーザーディスクもぶら下げました。
さらに、それでも不安だったので、キラキラテープも何本か張ってみました。
天気が良く風が吹く日は、大きな盤が風が吹くたびに揺らいで、ギラギラと派手に光り、キラキラテープもキラキラと、そしてカカシの腕がゆらゆら揺れて・・・とびきりファンキーな畑でした。
その後。
これらのおかげでピタリと鳥害が止み、この畑も無事ソルゴーがキレイに育ちました!
でも、色々やり過ぎて、どれが一番効いたのかは分からず仕舞いです。
というわけで、緑肥が全く育たないのは、土のせいではなく、もしかしたら鳥のせい・・・かもしれませんよ。
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