2018.07.11
人参用の畝の太陽熱養生処理を実施
いよいよ、夏本番となってきました。
この時期に農業実践教室で必ず行うのが「太陽熱養生処理」です。
太陽熱養生処理というのは、太陽光、水、有機物、微生物の力を借りて、作付け前の土づくりを一気に進める技術です。
太陽熱養生処理は、必要なモノを土に入れて耕うんし、そのあとたっぷり水を入れた畝に透明のマルチシートを張り、あとは強い太陽光が当たることを祈って待つ、というものです。
好天続きで地温が高くなった方が良い結果が出るので、長期の天気予報を見ながら仕込む日を決めていますが、思うような天気の推移にならないことも多いです。が、しかし、やらないよりやった方が100倍良いです。太陽熱養生処理をすると、土壌の物理性が改善されて、結果として生育が良くなるし、病害虫被害も激減します。
農業実践教室の生徒さんも、自分で畑をやっていらっしゃる方は、太陽熱養生処理をどんどんやるようになってきています。「土壌分析の会(内部向け特別企画講座)」に参加された方は、養生処理に加えてミネラル肥料も入れて、野菜の出来はグンと良くなったと聞いています。
教室はもちろん、正しく太陽熱養生処理を行えるようになってから、野菜の病気・害虫被害は激減しました。
先日、他の野菜に先駆けて、秋冬のニンジン用の畝で夏の太陽熱養生処理をスタートさせました。
ニンジンは、太陽熱養生処理の効果が分かりやすく感じられる野菜です。
なぜならば・・・ニンジンは、発芽までに6日程度かかり(たとえば、コマツナは2~3日で発芽します)、その後の初期生育もゆっくりです。ニンジンがゆっくり育っている間に、ものすごいスピードで雑草が大きくなるので、除草剤を使わなければ、ニンジンは生育旺盛な雑草に負けやすく、だから除草が必須で、そして大変だ・・・というわけです。
しかし、夏期に太陽熱養生処理を行っていると、ニンジン栽培では、除草の手間が殆どかかりません。夏期の太陽熱養生処理は、雑草が生えにくくなるのもメリットの一つなのです。農業実践教室では、太陽熱養生処理を行うようになってから、秋冬ニンジンの除草をまともにやることは殆どなくなりました。こうなると、ラクです。太陽熱養生処理によって土が柔らかくなるので、形もキレイになりますし、肥料吸収も良くなって生育も順調になりますし、太陽熱養生処理サマサマです。
そんな太陽熱養生処理。農業実践教室では、1回目、2回目講義で重点的に進めていく予定です。