2020.03.08
2020年春夏野菜コース土曜クラス1回目講義を終えて
週刊誌の見出し的に表現すると「コロナウィルス狂騒曲」のような状態の中で、農業実践教室28期春夏野菜コースをスタートしました。
主宰者としてどこまで対応できるのか、悩みながらの開催でしたが、受講生の皆さんに不安というストレスを感じさせないことも意識しながら、休憩スペースの換気を良くして(ちょっと寒かったけど!)、対面の距離をできるだけ保つ座学レイアウトにして、泡タイプ石けんと手指のアルコ―ル消毒剤を用意し、スタッフはマスク着用、開催前&開催後の備品のアルコール消毒スプレー散布、で対応しました。
全員マスク着用で声が通りにくい環境になるため、マイクを使って自己紹介と座学をしました。
今回の座学は「堆肥」と「肥料」について、教室で使う用語としての「定義づけ」をしていきました。
複数人で何かをやる時に、その言葉が何を意味するのか認識を共有することは、一番大事だと思っています。
特に、有機農業は、よく使われる言葉なのに解釈が何通りか存在して、わかりにくい言葉が多いと思います。
たとえば「堆肥」という言葉。一口に堆肥といっても、材料が動物糞主体の堆肥とセルロースが殆どの堆肥では、期待できる効果が基本的には大分違いますよね。なので、それを整理して話をしていかないと、聞く方はともすれば間違ったことをやってしまうと思います。
肥料については、たとえば有機JAS的な観点での説明と、有機栽培の「有機の利点」を意識した物質的な観点での説明では「見る側面」が全く違うので、どんな立場の人がその言葉を理解しようとしているのか意識して説明していく必要があると思っています。
なもんで、教室では「有機栽培で野菜を上手に作りたい」という生徒さん向けて、物質的な側面に徹して、堆肥と肥料についてお話をしました。堆肥とは・・・。有機肥料と堆肥の違いとは・・・。地力とは・・・。基本的には、BLOF理論で学んだ切り口がベースです。
ありがたいことに、生徒さんには、分かりやすい!とおっしゃっていただきましたが、たぶんそれは、私の説明が分かりやすいというより、前提となるBLOF理論での切り口が、まずもって分かりやすいんです。
たとえば、アミノ酸肥料を「炭素(C)を持つ肥料」という説明ではなく(もう少し詳しく説明が加われば、もう少しイメージもつくのですが・・有機肥料について説明をする文章の9割以上がこの表現です)、「炭水化物(CHO)付きの窒素肥料」と表現するのがBLOF理論ですが、こちらの方が圧倒的にアミノ酸肥料(有機の窒素肥料)の全体像を一言で表現していて、化学オンチの人(ワタシです!)でも、有機肥料とは何なのか、その本質を視覚的に理解しやすのであります。これは、有”機”⇔無”機”の「C」の有無だけの対比や、有機肥料=天然肥料⇔化学肥料=ケミカルに作った肥料、という対比では見えない世界です。
家庭菜園を一所懸命やる方は、たぶん、どんなことにも真面目に向き合う方です。そんな皆さんをワタシはとても尊敬しているのですが、こういう皆さんにはBLOF理論はとても馴染むなあーと感じています。
というわけで、今回は徒然なるままに1回目講義終了後の感想を書いてみましたが、きちんと収穫に至らないと教室が成り立たないわけなので、今期も気持ちを引き締めて、まずは失敗しないようにキッチリと施肥設計をして、そしてしっかりと管理をして、皆さんの楽しい学びの場を作っていきたいと思います。
頑張ろうっと!