2026.02.18
南イタリアに行ってきました
先日、南イタリアに行ってきました。
一番の目的は、ポンペイ遺跡を見ること。二番目の目的はマテーラの遺跡を見ること。エジプト旅行以来、遺跡にハマっています。
というわけで、まずはポンペイ。
予習にコチラ↓全12巻をシッカリ読んで、ワクワクしながら向かいました。

ポンペイは、西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火で、一夜にして消滅した街です。火山灰で覆われていたので、後世の人にいじられることなく、手つかずで「街そのもの」が遺跡となったという稀有な遺跡で、2000年以上前の人たちの生活の規模感や生活感が生々しく感じられて、タイムスリップしたみたいでとても楽しかったです。
こちら↓は街の道路。

女性が上に乗っている石は、飛び石で横断歩道みたいなもの。雨で水びたしになった時にも、安全に人が渡れるように・・・です。
よーく見ると馬車の轍が残っています↓。

ココをこの車幅の馬車が通っていたのかー!と、それだけでワクワクします。
石畳の隙間に白いモノがありますが、これはワザと埋めたモノそうです。貝殻だったかな・・・。残念ながら詳細を忘れましたが、夜、月あかりで光って、夜道を明るくする工夫だそうです。

居酒屋さんのカウンター。この壺の中に、お惣菜が入っていたそうです。


当時も、パンは「買うもの」だったとのことで、パン屋さんだった場所の石臼(右側)と窯(左側)。

二階へ上がる階段。

階段って結構小さいんだー!
ナポリにある考古学博物館にも行きましたが、ポンペイ遺跡からの出土品がたくさんあって、とっても面白かったです。
コチラ↓は、ポンペイからの出土品ですが、何か分かりますか?

骨壺だそうです。
あの一帯はヨーロッパなので土葬かと思っていたのですが、土葬になったのは2~3世紀頃からで、それまではずっと火葬だったそう。そして、今、墓地の土地不足のため、再び火葬の方向にあるそうです。
ちなみに、火砕流の熱で、こんな風に溶けた壺も・・。

どこにあったか、で状態が違うんですね。
これ↓は、細かいタイルを張り合わせて描いたモザイク画。

色がついた細かいタイルを張り合わせて作っているんです。陰影とか、すごい技術です。

同じ並びに、こんな緩いモザイク画も。

これらを同列に並べる博物館のセンスの良さに脱帽です。
ポンペイ遺跡と同じくらい心がときめいたのがマテーラの遺跡。


巨大な岩山に風雨によって自然に洞穴ができて、その洞穴をさらに掘って洞窟住居(サッシと言います)にしたものがマテーラの遺跡です。

掘って出てきた石をキレイにカットしてファサードを作って、家っぽくしています。
マテーラは、7000年前から人が住み着いていた地域で、この洞窟住居群は、長らく小作農の住居として使われていたそうです。小作農が耕していた農地は、今はマテーラの新市街になっています。
この住居群の生活水は、雨水利用(集落ごとに雨水を集める仕組みがありました)で、上下水道はなく、家畜と同じ部屋に同居し、各戸にトイレはなく、糞尿はテラコッタの壺に入れる、というような暮らしだったそうです。
それでも、19世紀まではまあまあ快適な住環境が保たれていたらしいのですが、20世紀初頭に人口が急増すると、もともと畜舎であった劣悪な場所も住居として使うようになって衛生状態が急激に悪化し、乳児の死亡率も50%を超えたため、1950年代に強制移住させられた、という歴史があります。
こちらは、洞窟の中の住居の様子。最後まで残っていたイチ農家の家です。ココには確か、子供6人+両親+馬が住んでいたとのこと。映っていませんが、左手のベッドの左側に農耕馬が同居しています。

↓左手にある壺が、トイレの壺。

マテーラは、最後には「南イタリアの恥」と言われて強制移住になり、その後いったん廃墟になり、そして1993年に世界遺産となりました。ワタシは観ていないのですが、映画「007/ノータイム・トゥ・ダイ」のロケ地としても有名だそうで、これから行かれる方は、それを観てから行かれると、より楽しいかも。
そして、行くまで全然知らなかったのですが、行って良かった場所の一つがアルベロベッロ。

とんがり屋根で白壁のおうちは「トゥルッロ」と呼ばれてます。一つの屋根の下に一つの部屋があるのが基本形で、これが複数繋がっていて屋根が2つも3つもあるパターンもあり、それは複数形だということで「トゥルッリ」と呼ばれます。
トゥルッロは、もともとは農地において農民が農具を収納したり、休憩するための小屋として、全て石だけで作っていたのですが、そのうち住居として使われるようになり、壁に漆喰を使って良いことになりました。
今でも農地に残っているトゥルッロはこんな感じ。

昔は、家屋に応じて徴税されていたので、税の徴収人が来た時に領主はコレを壊して税金逃れをしたとか、小作農への懲罰としてすぐ壊せるようにしたとか・・・。ちなみに、屋根のてっぺんのチョコンと尖っている部分を外すと、一気に瓦解する仕組みだそうです。
バスの窓から、崩れたっぽいトゥルッロを発見。わかりますかね?

でも、何かと言えばすぐに家を壊されるこの制度は、小作農には大不評だったそうで、なのでのちに「漆喰を使っても良くなった」・・・徴税人が来るたびに壊さなくても良くなった、というわけです。
アルベルベッロのトゥルッリは、今でも普通に人が住んでいます。
ただ、維持費用が結構かかるので、子孫が維持できず、海外の人が購入することもあるとガイドさんが言っていました。イギリス人の金持ちが多いと言っていたかな。
修復中のトゥルッロ。右半分が修復済。

誰も済まなくなって廃墟になったトゥルッロ(右側)。

屋根は薄い石灰岩を重ねていて、手入れしていないと隙間に土が入り込んで、植物が育って、中が湿気でカビだらけになるそう。

ちなみに今では、修復できる職人さんが少なくて、2~3年待ちだそうです。
ちなみに、この辺って、関東平野に住むワタシにとってはビックリするくらい石だらけなんです。白いのは全部石。

どーりでイタリアって石畳の街なわけですねー。ポンペイもそうだし、昔行ったローマもそうでした。

ちなみに、有名なカステルデルモンテの庭の地面を見たら、

こんな感じでした。

ナルホド!
今回旅行したエリアは、道路と畑の境界には、石垣が積まれていることが多いなーと感じたのですが・・・。


農地にするためには、まず石を取り除かなくてはならなくて、取り除いたついでに石垣の境界ができたとのこと。
トゥルッリも、農地開拓のために石を取り除いている最中に、積んだ石を「こーやって置いたら、家になるんじゃね?」なんてところから始まったのではないかと想像しています。
さて。
南イタリアは、農地が広大で、延々と続く丘陵地帯がまるっと麦畑だったり、オリーブ畑だったりします。



丘陵地帯が全部農地です。家が殆ど見当たらないので、どこからどのくらい時間をかけて移動して栽培管理をするんだろう・・・・と思ってしまいます。
見渡す限り畑なのですが、想定をしていなかったモノをたくさん見ました。分かりますか?

風力発電の風車群です。見えにくいと思いますが、ものすごい数で林立しています。


バスで、サーっと通り過ぎてしまうので、なかなかうまく写真を撮れなかったのですが、次から次へとザクザクと風力発電群が出てくる感じで、驚きました。

この風力発電の風車は、1基の設備で一般家庭50戸分の年間電力が賄われるとのこと。
ガイドさん曰く、南イタリアを訪れるたびに、風車が増えているとのこと。小麦の生産者が、小麦を作っているよりも、電力会社に土地を売った方がお金になるので、どんどん建っているそうです。これだけの農地の中に建っているのだから、営農型(設備の下で農業ができるスタイルのこと)なのかなーと思うのですが(未確認ですよ)、とにかく、すごいことになっていると思いました。
ちなみに、高速道路のパーキングでは、駐車スペースに太陽光パネルが屋根のようについているものが多かったです。

畑地帯で、営農型ではない太陽光パネルが突如、出てきたりもします。

ただ、私達が通ったルートでは、風力発電の方が圧倒的に多かったですね。
エネルギーをどう賄うのか、というのは、色々な要素が複雑に絡み合って、ホントに難しいなと思います。
既に開発済の土地である農地に、営農型で設置する場合と、都市部の施設や空間を利用して設置する場合と、農地を農地として利用しないで設置する場合や自然をイチから壊して設置する場合では、環境への負の影響は全く違ってくると思います。
このイタリアの風力発電群を見て、穀倉地帯の皆さんが「穀物を作るよりエネルギーを作った方が儲かる」となったら、世界はどうなるんだろう、と思いました。
これからAIの利活用が進むほどに、ますます電力需要が増すだろうし、ホント、エネルギー供給手段として何が正解になるのでしょうね。みんなが無関心だと、基本的にこーゆーコトは、よりバランスの悪い方向に進みがちだと思うので、まずはたくさんの人が関心を持つといいなーと思っています。
南イタリア旅行、最後はナポリに行きました。
ナポリは、パスタもピザも美味しかったです。
でも、ナポリで一番有名な商店街「スカッパナポリ」は、落書きだらけでした。
キリスト教の教会に落書きがされています。

現役で使われている建物、しかも人通りの多いエリアの建物にもたくさん落書きがあります(もっとたくさんアチコチに)。



なんでこんなに落書きだらけなの?とガイドさんに聞くと「消しても消しても書かれるので、消すことを諦めたから」だそうです。
トイレもそうでしたー。
南イタリアって、カフェや食堂では、便座があるトイレと便座がないトイレがあるんですよね。念のため、便座とは、トイレで座った時にお尻を支える輪っか状のアレです。
トイレ事情は、国や地域の文化で大分違うだろうから、一応「便座があるのとないのとでは、どっちがデフォルト?」とガイドさんに聞いたら、「もともと便座はあったんだけれど、直しても直しても壊されるので、諦めてもう便座をつけないんだ」とのことでした。
目が行き届かない公衆トイレならまだしも、民間のカフェや食堂の便器に便座がないって、どーゆーコト?弁償を求めても逆ギレされる、やったもん勝ちの世界なのでしょうか。治安が悪いというのはそーゆーコトも含めてなのでしょうが、よくみんな我慢しているなーと思います。大らかなのか、無関心なのか・・・。
そんなわけで、南イタリア。
楽しい一辺倒ではなく、心がモヤモヤすることをいくつも目の当りにしたコト(他にもイロイロと)、これはこれで貴重な体験だったと思います。色々なことに関心や考えを持つ大人だから、イロイロと感じるところがあるのですね、きっと。
良き旅でしたー!
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