2018.05.25
トウモロコシの獣害対策・虫害対策
農業実践教室の畑では、トウモロコシがすっかり大きくなりました。
恵みの雨が降った後、毎日、目に見えて成長しています。
土曜日の講義日には少なかった「ヤングコーン程度の実」も、週半ばを過ぎる頃には、大分その数が目立つようになってきました。
ヤングコーン。
この絹糸のようなヒゲが、トウモロコシの粒1粒1粒につながっているんです。
自然とは、なんと緻密なのでしょう。
そんなトウモロコシは、そろそろ獣害・虫害対策をしなければならない時期です。
1.トウモロコシの獣害対策
トウモロコシは、人間はもちろん、ハクビシンもイノシシもシカも大好物です。カロリーの塊ですからね。
千葉市は、まだイノシシもシカもキョンも出ないので、敵として想定するのは、主にハクビシンとカラス、そして人間です。
トウモロコシに対するハクビシンの執念はものすごいです。
ちょっとでもスキがあると、必ず入ってきます。
農業実践教室では、ハクビシン対策&カラス対策として、まず大きな防鳥ネットで側面と上部を覆っています。
次に、防鳥ネットの側面を補強するように防虫ネットで覆います。
側面が防鳥ネットだけだと、ハクビシンは破って入ってきます。
防虫ネットの裾は、埋めます。
これを埋めないでペラペラにしていると、ハクビシンは、穴を掘って防鳥ネットを破って入ってきます。
ちなみに、カラスは、トウモロコシを食うというより、嫌がらせをします。千葉市の性悪カラスは、苗をほじくり返したり、発芽したばかりの芽を無意味に食いちぎったり、最悪です。
そして、人間。
防鳥ネットは、カラス対策というより、もはや人間対策かも。
できるだけ厄介な環境を作ってやるのです。
2.トウモロコシの虫害対策
トウモロコシは、「アワノメイガ」という蛾の幼虫の食害被害を受けやすいです。
アワノメイガは、トウモロコシの雌穂から入ってきて、実を汚く食い荒らすので、気持ちよく、美味しくトウモロコシを食べるためには、何とかしないといけません。
農業実践教室で行っている対策は2つです。
①対策1:アワノメイガ最盛期よりも前の収穫を目指して作付けする
農業実践教室では、アワノメイガが大発生する時期(成虫は6月下旬~7月上旬頃が1回目のピーク)よりも前に収穫のピークを持ってくることで、まずアワノメイガ被害を少なくしています。
農業実践教室では3月に種まきをするのですが、トウモロコシには3月の気温は寒すぎて発芽しないので、ポリフィルムでの保温栽培となります。
②対策2:雄花をカットする
保温して早く大きくしても、3月播種の場合、その収穫時期は、アワノメイガの成虫が発生する時期にどうしてもかかってしまいます。
ただ、アワノメイガは、雄花の花粉に寄ってくる習性があるので、雄花を10本に1本くらい残してあとはカットすることで、被害をより抑えることは可能です。
また、アワノメイガは追肥をするとさらに発生しやすいと言われているので、極力追肥をしないで済むように、最初にビシっと大量に肥料を入れます。
ちなみに、肥料をしっかり効かせるため、使う肥料を選んだり、根がしっかり張るよう太陽熱養生処理をしたり・・土への仕掛けも、もちろんあります。
というわけで、トウモロコシ。
無農薬でもキレイで甘くておいしいトウモロコシを今年も目指します!